2011年7月13日水曜日

参加首長のメッセージ<14>

〇秀島 敏行 佐賀県佐賀市長からのメッセージ
〇2011年7月1日から秀島 敏行 佐賀県佐賀市が参加しました


役所の中だけで仕事をしているようではダメ。地域の課題、困りごとに向き合い、住民と一緒に悩み、考え、ともに汗をかく『一人二役』を実践してこそ、真に力を発揮できます。そうすることで住民目線での問題意識を持つことができ、住民に信頼される職員に近づけると思います。さあ、地域へ飛び出そう!

2011年7月12日火曜日

iJAMP連載 ~首長コラム №2~

〇時事通信iJAMPで首長コラム連載中!
〇荒木 義行 熊本県合志市長のコラム
 (2011年7月11日配信時事通信社iJAMPより)


★目指すは「ドラえもん」のような職員づくり 
 熊本県合志市長・荒木義行

 合志市は、熊本市の北東部に隣接する人口5万5000人の市です。少子高齢化社会にあって、熊本県内で人口の増加が見られる市は、熊本市と合志市だけです。しかし、本市の昼夜間人口比率は100を割っており、熊本市のベッドタウン的な都市となっています。私は、2006(平成18)年に合併して5年目、新市の2代目首長として10(平成22)年4月から市政を任されています。
 地域に飛び出す公務員を応援する首長連合の趣旨に、「公務員が自分の時間を活用して、一国民、一地域住民として、職場や家庭における役割に加え、プラスワンとして、社会貢献活動、地域づくり活動、自治会、PTA、消防団、NPO法人などの活動に参画することは、国民、地域住民と思いを共有し、ひいては現場の国民目線、住民目線で行政を推進することにつながる」と書かれています。このことは、私が常々思っていたことであり、「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」の話を担当職員から聞くと同時に、この首長連合に参加させていただきました。
 市長に就任以来、機会あるごとに私の口から出る「自分の時間を活用し、地域住民として地域づくりに携わってほしい」と言うメッセージに、市役所で働く職員も行動を起こしてくれています。今回掲載していただいている写真は、昨年、地元テレビ局主催の「ふるさとCM大賞」への応募作品を作成しているときの写真で、地域に飛び出す公務員を応援する首長としての初仕事だとも言えます。地域を愛する職員が、学生や市民団体のメンバーとグループをつくり、アフターファイブを利用して多くの市民の方々を引き込みながら、合志市のCM作りに取り組んでくれました。このCM作りで頑張る市民や職員から出演依頼があれば市長としても断るわけにも行きませんし、私もいつものスーツ姿からジーンズに長靴、麦わら帽子と、用意された衣装に着替え、ちょっと恥ずかしかったのですが、楽しく出演させていただきました。その結果、見事行政の部銅賞受賞、副賞として20回分のCMが放映され、市の宣伝に大きく貢献してくれています。
 職員がスーツを脱いで、市民と一緒に汗をかきながら地域で頑張る、まさしく私が望んでいる活動です。私のローカルマニフェストの中に「ドラえもんのような職員づくり」という項目があります。このローカルマニフェストの内容は「必要な物がすぐに出てくるドラえもんの不思議な四次元ポケット。色々な視点で物事を捉え、みんなの夢をまちづくりに活かすことのできる行政職員。市民の要望に優しく、素直に応えることができ、フットワークの軽い行政職員・組織を目指します。自由に使える研修費を用意し、自主的な研修に取り組ませ、市民ニーズを的確に捉え、スピーディーな対応ができる四次元ポケットを持った職員づくりを目指します」というものです。
 職員と市民が協働してイベント開催や事業提案ができ、より自由な発想で事業が生まれ、地域に貢献できる職員を育て、応援していきたいと考えています。
 私も職員と共に、新しい公共や住民協働といった行政と市民、市民間の新たなパートナーシップを構築し、市民の方々に信頼される市役所づくりに取り組んでいるところです。(了)

(2011年7月11日)

荒木 義行(あらき・よしゆき)氏のプロフィール
 1958年生まれ、専修大学法学部中退。77年警視庁警察官、86年国会議員秘書、95年熊本県議会議員(4期)。2010年4月「未来に誇れる合志市づくり」を掲げて合併後の第2代市長に就任、現在に至る。

2011年7月5日火曜日

iJAMP連載 ~首長コラム №1~

〇時事通信iJAMPで首長コラムの連載スタート!
〇多次 勝昭 兵庫県朝来市長のコラム
 (2011年7月4日配信時事通信社iJAMPより)


★地域に飛び出す公務員を応援=首長連合発足に寄せて
  兵庫県朝来市長・多次勝昭
 
 「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」が本年3月17日発足した。
 首長の数も発足当時に比べ日ごとに増えている。それほどに公務員と住民との考え方の違いを憂い、「住民感覚に優れ住民に溶け込む公務員こそ住民に支持される」との考えに立つ首長が増えていることに喜びを感じている。連合発足の趣旨に賛同し発起人に名を連ねた者として、思いを同じくする人が増えることは誠にうれしい限りである。
 そんな今だからこそ、この連合がさらに力を発揮し、より実効性のあるものとなるよう大いに期待したい。
 時に「公務員の常識は住民の非常識」と言われることがある。どちらがバリアーを張っているのか分からない。しかし、主権者たる住民にしてみれば主役は自分たちであり、地域づくりにおいても公務員は協力しないものとの思いに色濃く染まっている。一方公務員の側においては、われわれだって住民の安心安全の確保・福祉の向上のため一生懸命に働いている、そんな声が聞こえそうだ。
 どちらの思いも正しいのかもしれない。しかし、主権者たる住民の目線、思いに立つことが、今ほど公務員に求められているときはないのもまた事実である。
 協働のまちづくりの推進は、地域の力なくして、成し遂げ得ないからである。
 「皆さんとともに住みよいまちをつくりましょう」といくら叫んでも、公務員の殻が破られないままでは住民の動きは鈍くなるばかり。そんな時こそ公務員が自らの殻を脱ぎ捨て、住民と協働することで住民理解は深まっていくものと考える。
 本市は小学校区を単位として11の地域自治協議会を有する。
 合併した2005(平成17)年以降、高齢化に悩み、限界集落の存在を憂い、顔の見える小学校区をその単位として地域特性を生かした市内分権型社会の構築を図るため、地域住民の賛同を得て設置したものである。
 校区ごとに1年から2年の協議期間を経て今日の状況をつくり出すことができた。出発に当たっては支援員として各地域自治協議会に6人の職員を配置した。設立時の課題解決から設立後の安定的運営に至るまでの一連の作業をバックアップするためである。なお、支援員の位置付けは辞令発令(3年任期)により、当該職務も公務として扱うこととした。また、支援員以外の職員には、各小学校区の住民として可能な限り会合等に参画するよう促した。
 今日においてなお校区ごとの職員の参画具合に温度差があることは否めないが、多くの職員が各種事業に参加するようになり、地域住民とのコンセンサスを深めている様はうれしい光景である。
 最近、職員に言うことがある。職員同士の交流以上に地域住民との交流を深めるようにしてもらいたいと。じかに住民の生の声を聴くためである。まだまだ思いの途中ではあるが、徐々に地域人としての自覚が芽生えていると感じている。
 このように職員が積極的に地域に飛び出し、活躍するために、問題点の提起や応援するための施策を整えていくのが首長としての私の役割である。首長連合でこうした施策の情報交換を行い、それぞれの自治体で施策展開することにより、職員が地域で活躍し、協働のまちづくりが一層推進されることを願う。
 首長連合の発起に際し献身的にご尽力いただいた総務省の椎川忍自治財政局長、代表の古川康佐賀県知事をはじめ多くの皆さまに感謝し、お会いできる日を楽しみにしながら、思いの一端まで。
 頑張れ職員! 頑張れ首長! (了)

(2011年7月4日)

多次 勝昭(たじ・かつあき)氏のプロフィール
 1949年朝来市生まれ。龍谷大学法学部を卒業後、和田山町企画調整課長、合併協議会事務局長、朝来市企画部長を歴任。2009年5月に第2代朝来市長に就任。「対話を基調とする心優しい温もりの市政」を公約に掲げ、就任3年目となる今年は「夢を叶える行動の年」と位置付け市政運営を進める。